プルトニウムの譲渡契約

もう一ヶ月以上前のことになってしまいましたが、
電源開発(Jパワー)の大間原発に、電力各社がプルトニウムを譲渡する契約を締結したことが11月12日に公表されました。
http://www.rikuden.co.jp/press/attach/09111201.pdf

電源開発は、いま建設中の大間原発でプルサーマル発電を計画しています。初めは炉心の三分の一程度にMOX燃料を装荷し、5年から10年かけて炉心全体をMOX燃料に入れ替えていくという、世界にも例のないフルMOX運転が計画されているのです。
http://www.jpower.co.jp/bs/field/gensiryoku/project/index.html

電源開発は原発をもっていなかったので、プルトニウムは所有していないのですが、「フランスの再処理工場ですでに取り出されている各電力会社のプルトニウムの一部を、電源開発に譲渡する」という契約が、11月12日に締結されたというわけです。

各社ごとの譲渡量の一覧表をみると、
北陸電力の場合、譲渡量は0.1トン。しかし、フランスにある在庫量は もともと0.1トンです。「すべて譲渡してしまうのかしら?やっぱりプルサーマルなんて、あまりヤル気がないのかも」と思い、さっそく北電に問い合わせてみました。

その結果は;
「現在フランスにある0.1トンとは約90kg、譲渡契約の0.1トンとは約50kgです。“2015年からプルサーマル実施”という計画には、何ら変更はありません」というのが、北電石川支店の広報課長氏の回答でした。

なお、北電のプルトニウムはイギリスの再処理工場にもありますが、こちらについては「再処理は終了しているが各社ごとの割当量が確定していない」として、その量は公表されていません。送られた使用済み核燃料の量から推測すると、90kgよりは少ないものと思われますが、四捨五入すれば0.1トンになるでしょう。

「髙木仁三郎が語るプルトニウム」(原子力資料情報室・1994年発行)という冊子によれば、『原子炉の中でできるプルトニウム1グラムの毒性は、一般人の年間摂取限度量の18億人分』ということです。
そういう超危険な物質が、100キロ未満は四捨五入して0.1トン単位で扱われるなんて・・・

ちょうど この譲渡契約から二週間ほどたった頃、
32グラムのプルトニウムに関して、こんな報道がありました。

東京新聞(2009年11月25日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20091125/CK2009112502000060.html

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『プルトニウム保管問題 撤去陳情を採択』
目黒区中目黒の住宅街にある防衛省の敷地に、核物質のプルトニウム239が
三十七年にわたって保管されている問題で、住民有志が区議会に提出していたプ
ルトニウム撤去を求める陳情が二十四日、企画総務委員会で採択された。九月議
会では継続審査となっていただけに、住民有志は「前進」と評価、「早期撤去の
実現を」と主張している。 (増田恵美子)

このプルトニウムは、旧防衛庁が一九七二年、米国から研究目的で購入した三
十二グラム。東京消防庁への届け出をせず保管していたため、八六年の国会で問
題になり、謝罪して届け出た。今年、防衛省が敷地内での「国際平和協力セン
ター(仮称)」新設に当たって開いた地元説明会で、今もプルトニウムが保管さ
れたままだと判明したため、地元住民や被爆者ら有志が八月、国にプルトニウム
の早期撤去を求めるよう区議会に陳情を提出。同センターは今月二十四日、政府
の行政刷新会議の事業仕分けで「廃止」の判断が下された。

陳情が九月議会で継続審査になった後、住民有志は七千二百三十二人分の署名
を集めて提出し、二十四日の企画総務委員会では全会一致で採択。三十日の本会
議で採択されれば、意見書として国に提出される。

陳情を提出した「中目黒・防衛研究所新施設の説明をきく会」事務局の中島み
ち子さん=同区=は「プルトニウムは極めて危険で、人間の暮らしとは共存でき
ない物質。超党派で可決していただけて良かった」と歓迎。その上で「国際平和
協力センターは廃止の可能性が高くなったが、プルトニウムは残る。防衛省は
『移管先を探しているが決まらない』と言っている。国も区も、早期撤去に向け
て取り組んでほしい」と訴えている。

防衛省は「目黒区からの陳情書を見ていないのでコメントは差し控えたい」と
している。
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